松﨑医師 保険診療医から見た再生医療の可能性について | CPC株式会社

2023/02/15

松﨑医師 保険診療医から見た再生医療の可能性について

今回は、お茶の水セルクリニックに非常勤医師として勤務されていた松﨑医師より「保険診療医から見た再生医療の可能性について」をご紹介いたします。

     

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保険診療で実感していること

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お茶の水セルクリニックで非常勤医師をしております松﨑と申します。

今回は保険診療医から見た再生医療の導入についての見解をお話させて頂きたいと思います。

現在私は千葉でクリニックを開業しており、整形外科の一般診療もしております。

診療をする中で、ステロイド、ヒアルロン酸の注射やリハビリを幾度となく行っても症状の改善が認められず、症状が慢性化した患者さんを目の当たりにすることが多くあります。

このメルマガをお読みの先生方も日々悩まれる症例があるかと思います。

一般的なこれらの保存治療に効果がない患者さんは大きな病院へご紹介しております。

しかしながら、紹介先で手術治療も含めて治療されるのかなと思いきや、しばらく同じような保存治療がなされ、最終的には手術とならず、再度クリニックに戻ってこられることもあります。

それでさらにズルズルと同じ治療を繰り返していた患者さんも多くいました。

このような慢性化している患者さんへの選択肢としてPRPや幹細胞治療はとても期待できる治療法であり、実際にお茶の水セルクリニックで症状が改善する患者さんを多く見ております。

再生医療の治療方法を身につけたことで提供できる治療に幅が広がり、治療の可能性が広がった分、一般診療を安心して行うことができるようになりました。

     

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再生医療導入に関しての見解

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さて、ここからは再生医療導入に関しての私なりの見解を述べたいと思います。

私が非常勤として勤務しているお茶の水セルクリニックは都心にあり、遠方からも通いやすいため比較的、金銭的にも余裕がある患者さんも多く来られるかとは思いますが、一方で都心から離れた私のクリニック周辺地域の方は自費診療に積極的になれない患者さんが多いことも事実です。

ですが、私のクリニックで紹介先としている近所の病院では、比較的安価なPRPキットを使用していることもあり、3ヶ月の予約待ちの状態が続いています。

PRPのキットは安いものから高いものまで様々ありますが、どのキットが最もよいか効果を直接比較した前向き研究も少なく、何を選択するべきか迷うところです。

地域柄を考慮した場合には、まずはコストが安い方が導入はしやすいのかなと個人的に思っております。

すでにPRPを導入されている先生方がPRPキットの変更を検討される場合については注意する点があります。

各PRPキットによって再生医療等安全性確保法に準じた届け出が必要になり、現在使用しているキットから変更しようとすると変更申請が必要となりますのでご注意ください。

そして、PRPを導入されている先生方の中には治療を続けている間に、それでも効果の乏しい方やさらに効果を求めくる患者さんもおられることをご経験されることもあるかと思います。

次の段階として幹細胞治療の導入も検討していくのはとても良いと思います。

     

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幹細胞治療導入について

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PRP・幹細胞治療は保険診療外であり、これまで保険診療で治療してきた費用と比較すると高額ではありますが、効果を実感してしまうと治療の武器としてはとても心強いものとなります。

現在でも、特に幹細胞治療は普及していない都道府県もあるくらいで、競争環境にない点も魅力的です。

周囲にクリニックが増えていく中で最先端の医療を提供できるのもクリニックの強みとなりますので、まだ導入されていない先生方は是非幹細胞の導入についてご検討して頂くとよいかと思います。

   

    

【松﨑医師プロフィール】

日本整形外科専門医

経歴 

神戸大学医学部附属病院/愛仁会高槻病院/神戸労災病院/香川大学医学部附属病院/神戸大学大学院医学部附属病院/新須磨病院/Scripps Research, Molecular Medicine, Research associate/University of California San Diego, 客員研究員/東京大学医学部附属病院 ジャパン・バイオデザイン フェロー/東北大学病院臨床研究推進センター 客員教授